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本日より私たち山長商店の新年度がスタートいたします!

多くの企業さまも同様だとは思いますが、いよいよ本日、令和3年4月1日より私たち山長商店の新しい事業年度が始まります。昨年度はスタートの4月、5月と第1回目の緊急事態宣言の影響により、私たちのお客様である料亭さま、割烹料理店さま、旅館さま、ホテルさまが、軒並み休業や時短営業を余儀なくされた事や、海外向けの輸出の停滞もあり、工場の稼働率を落とし、生産調整を行う必要があった2ヶ月を過ごしました。過去のSARSやMARSのように、じきに終息し工場の稼働率も戻っていくだろうと、多少楽観視していたところもありました。6月以降、徐々に回復基調になり、秋口から従来通りの工場稼働率とまでは行きませんでしたが、ある程度稼働率も戻り、10月~12月の第3Qは水準の稼働率で生産を行う事が出来ました。この調子で第4Qもと思っていたのもつかの間、1月に再び発令された2回目の緊急事態宣言による影響により、再度生産量の調整を余儀なくされ、工場の稼働率という意味では、昨年度は文字通り「コロナ禍」という言葉に集約される1年であったように思います。私たちだけでなく、観光業、飲食業などに携わるお客さまにつきましても、本当に大変な1年であったかとは存じます。本年度につきましても、まだまだコロナの影響は予断を許さない状況ではございますが、とにかく私たちに出来る事として、引き続き、お客さまにご満足頂ける削り節・だしパックを心を込めて製造し、お届けして参りますので、本年度も何卒よろしくお願い申し上げます。

ただ、今回のコロナ禍も悪い事ばかりでもなく、当たり前に思っていた事を腰を据えて、見つめなおす機会でもありました。私たちの仕事を端的に表現すると「一生懸命に削り節・だしパックを作り、お客様にお届けする。」という極めてシンプルなものではありますが、コロナ禍という事態に際して、会社の事業や業務の棚卸を行い、変えるべきところ、変えてはいけないところ、必要なもの、必要でないもの、取り組むべき課題、お客様にお伝えしたい事は何だろうかと、考え、取組むキッカケになった期間にもなりました。

これまでの私たちは、「とにかく品質の良いもの、美味しいものを作れば、お客様が評価してくれる。」というスタンスであったように思います。これまで、私たちの削り節をご指名でお使い頂いている料理人さまやお客さまからの口コミやご紹介を頂く事で、少しづつお客さまが増えて来たのですが、反面、私たちの削り節やだしパックをお使い頂いた事の無い方々、そもそも私たちの存在自体を知って頂けていない方々に向けて、私たちの行っている事、私たちの製造に掛ける思い、私たちがどういう会社なのか、そうした事を知って頂く努力は不十分であったのではないかとも感じました。

私たちの作る、削り節やだしパックなどの商品は、「商品」になるまでには、節の原料であるかつおやまぐろ、サバ、アジなどの魚を確保頂く漁業を営む方々、その魚を節に加工して頂く節の生産者さま、そして生産者さまからお送り頂いた節を削り上げる私たちの工場の職人やスタッフ、受発注、梱包・発送、配達に携わるスタッフや経理・総務などのバックオフィス系のスタッフと、多くの漁業関係者さま、生産者さまと、私たちのスタッフの手を介し、それらを経てようやくお客さまのお手元にお届けする事が出来ます。第一回目の緊急事態宣言の発令による生産量の調整で、いつもよりも少し手の空いている工場のみんなと話をしていると、ポツリポツリではあるけれども、工場の職人は、削りに対する思いやこだわりについて話をしてくれたり、受発注、梱包・発送、配達、事務に携わるスタッフのそれぞれの仕事に対する思いを聞く機会が多く生まれたのは非常に良い機会でした。それらスタッフの思いを聞くにつれ、その思いの結晶として私たちの削り節やだしパックがあるという事を、もっともっとみなさまにも知って頂きたいと思うようになりました。出来の良し悪しはさておきまして、昨年の7月に私たちのホームページを作り直しまして、少しづつではありますが、お知らせという形で、商品のこと、会社のこと、スタッフの思いなどをお伝えしていこうと思います。

本年度についても今後コロナがどうなるのか? 一度変わった生活様式により社会がどう変化するのか? そんな難しい事は私たちには予測は不可能です。ですが、私たちに出来る事として、何より、お客様さまに「美味しい」といって頂けるよう、こだわりと思いを持って仕事に取り組んでくれる職人やスタッフの作る削り節やだしパックをお届け出来るよう精一杯に取り組んで参ります。

改めまして、本年度も何卒よろしくお願い申し上げます。